「ペットたちとの出会いがなければいまの自分はありません」。現在も猫2頭にインコ、グッピーと暮らす吉田さんは子どもの頃からいつも動物がそばにいたという。大学では動物栄養学を専攻し、肥満予防や血中脂質に関する機能性素材を使った研究を行ってきた。「ペットの食事にはまだいろいろな可能性を秘めている、と興味を持って。そこで自分の研究データからペットフードがつくれたら、と考えるようになりました」研究職を志し、就職活動をするなかで「日本の犬や猫が食べるものなのに、海外で開発されたものってどうなんだろう」と疑問を感じたのは、まず自身がペットの飼い主であるからなのかもしれない。そしてペットフード専門の研究所において日本で最も歴史があり、充実した施設をもつ日本ペットフードに入社。研究所には犬、猫がおよそ200頭、魚、九官鳥が広大な敷地でのびのびと飼育されている。「この環境も会社の魅力のひとつだと思います」
吉田さんの仕事はペットフードの基礎研究と開発がメインだ。「たとえばAという新しい成分が毛艶をよくしたり、毛玉の排出を助けたり有効なものかどうかを商品開発前にデータを集め、分析します。新しい素材については開発課からの提案もあれば、こちらから提案することもあります」また全国各地の学会に出席して、新たな原料や成分の情報を仕入れたり、テスト機で試作品をつくる手伝いなども率先して行う。「学生時代は個人研究が中心だったので自分のペースでやっていましたが、会社では獣医さんや開発チームとの連携が大切。わからないことがあれば些細なことでも確認して進めるようにしています」
入社3年目。将来は飼い主だけでなく、ペットの間でも噂されるようなフードを開発したい、と吉田さんは笑う。「良い結果が出たとしても満足してしまえば、そこで立ち止まってしまう。結果が出なくても次にそれをどう活かすかが重要。研究開発にゴールはない、と思っています」
まず素直であることが大切だと思います。ある本に「なぜ?と考えることが大切」と書かれていましたが、思わぬところに開発の糸口がつながっていることがあるからです。自分もそれを心がけています。
学生時代から愛用している大学生協の白衣は検査のときに必ず着用します。大学はマウスだけだったのでほとんど汚れることはなかったんですけど、いまは犬や猫がたくさんいるのですぐ汚れます。でもその汚れも「仕事を頑張ってるぞ!」という証みたいで嬉しいんです(笑)。
中学3年のとき、3頭飼っていた犬のうちトイプードル「すばる」が交通事故に遭い、病院で「もって一週間くらいかも」と言われました。でも獣医さんの懸命な治療と家族で必死に看病した結果、みるみる回復して無事に退院。障害が残りましたが、その頃から動物にかかわる仕事に就きたいと思うようになりました。ペットには毎日元気をもらっています。






