鍵しっぽを水平に、威風堂々と歩く猫。 日本の街中でよく見かける光景ですよね。
猫のしっぽをよく見てみると、いろんな形があることしってますか?
フックのような鍵しっぽ、くの字に曲がった折しっぽ、途中でなくなってしまったような切れしっぽ・・・私と一緒に暮らしているにゃんこは渦巻く螺旋(らせん)しっぽなんですよ!
今回はしっぽをこよなく愛する私が猫のしっぽについてお話しましょう。
●しっぽと気持ち
猫のしっぽは基本しなやか。猫の感情をよくあらわします。うれしいときはしっぽをピンと立て、イライラなときはムチのようにぶんぶん振りまくり、ご機嫌になると立てたしっぽをふにゃふにゃ揺らします。けど、ボブテイルのにゃんこではどれもおんなじに見えますけどね(笑)小さなボブしっぽを一生懸命にぴくぴく動かす様はたまりませんよね!猫のしっぽには不思議な魅力があるようです。
●幸せの猫、ボブテイル
ボブテイルといえば、『ジャパニーズボブテイル』が有名ですね。『ジャバニーズ』という猫もいるので、間違えないようにしてくださいね。ジャパニーズボブテイルのしっぽは応援で使うボンボンによく似ていて、ついついつつきたくなってしまう・・・短いからこそ魅力的なしっぽなのです。品種として登録されたのが1976年(CFA)。日本から送り込まれたしっぽの短い猫をアメリカで繁殖させたのが始まりとされています。持ち込んだ人は、私のようなしっぽフェチだったに違いありませんね。実は、その辺にいるノラでもジャパニーズボブテイルに品種登録することが可能で、ノラから血統書つきになった!!という話も実際に聞いたことがあります。
ボブテイルや鍵しっぽの猫は、ヨーロッパでは幸せの猫と呼ばれているんです。鍵しっぽが幸せを引っ掛けて持ってきてくれるのだとか!
●曲がったしっぽは遺伝
よく街中で見かける、しっぽが短かったり、曲がってしまっているにゃんこたち・・・生まれて間もないころに親に踏まれて骨折しちゃったのかな?と思う方が多いようです。しかし、これはほとんど遺伝なのです。代々受け継がれた折れしっぽとでも言うんでしょうか。遺伝ですから、地域によって尾曲がりばかりなところもあるようです。遺伝子の突然変異によってこのような猫が発生したといわれています。この尾曲がりは劣性遺伝といって、尾曲がりの子は比較的見かけにくい遺伝をしています。
ちょっと難しいですが、科学的に説明いたしましょう!尾曲がり遺伝子は【tt】と小文字で表現することができます。Tale(尾)の「t」ですね。遺伝子というのは2つの対になっていて、お父さん由来の【t】ひとつと、お母さん由来の【t】ひとつでできていると考えると分かりやすいと思います。逆に、まっすぐなしっぽの遺伝子は優性遺伝なので【TT】と大文字で表現します。
もしお父さんが【TT】(まっすぐ)でお母さんが【tt】(尾曲がり)だとしたら、両親からひとつずつもらって、子供の遺伝子は【Tt】となります。【T】は【t】よりも優性で性質を現しやすいので、子供は必ずまっすぐな尾になるのです。中学校で習うメンデルの法則を思い出しましたか?猫でも同じことが起きているのです。
●しっぽの歴史
ジャパニーズボブテイルというくらいですから、海外では短尾、尾曲がりは珍しい猫です。先ほどご説明したように遺伝的にも劣性なので、ボブテイルは珍しいはず。その猫がなぜ日本にたくさんいるのか。この理由の裏に、日本の時代背景を強く映し出した猫の歴史が隠されていました。
江戸時代のころ、ちまたでは猫又伝説が流行していたといわれています。猫は年齢を重ねると尾が二股に分かれ、妖力を得るという言い伝えがあります。妖力を得た猫は猫又と呼ばれ、人肉を食らうといわれていました。二股は妖力の象徴です。江戸時代の人々はこの妖怪を恐れ、二股の尾にならないように断尾するようになったそうです。この習慣は昭和初期まで続きました。現代に残る猫が描かれた作品をみると、猫の尾の変化を見ることができます。江戸時代以前では尾の短い猫はほとんど描かれていませんでしたが、それ以降は良く描かれるようになりました。尾の短い猫が好まれるという時代背景のため、突然変異で生まれた尾の短い猫が好まれ、自然と選択育種されたといわれています。
この様な時代背景があり、日本には尾が短かったり、折れていたりするにゃんこがたくさんいるんです。しっぽには単にかわいいだけじゃないんですね。
しっぽひとつとっても、これだけたくさんのお話が詰まっているんです。
皆様もこれを機に、にゃんこのしっぽに注目してみてください。


